はじめに
副業を始めた理由は、「借金返済のため」じゃなかった。 もっと幸せになりたかったから。少しでも生活を楽にしたかったから。
当時の本業の手取りは、月14万円にも満たなかったこともある。 それでも生きていかなきゃいけなくて、現実を変えるには自分で何かを動かすしかないと思っていた。
副業で収入を増やして、生活に余裕ができたら、未来にも希望が持てるかもしれない──そんなふうに考えていた。
でも、現実はそんなに甘くなかった。
仕事はもらえた。でも、安定はしなかった
私が最初に受けた副業の案件は、知り合いから紹介されたもので、ホームページ制作の仕事だった。50万円という大きな案件で、これで一気に状況が変わるかもしれないと思った。納品後はそのサイトの運用管理を引き継ぎ、月1万円の保守費用をもらえるようになった。
その後、1年ほどして別の知人から10万円の制作依頼を受け、こちらも運用まで任されて月2万円の固定収入に。あとは知人づてに、数万円〜数千円規模のショット案件もぽつぽつと。
こうして文章にすると、順調に見えるかもしれない。でも、これだけで生活が安定するほどにはならなかった。
知らない人との仕事で失ったもの
一度だけ、クラウドソーシング経由で知らない人から大きな仕事を受けたことがある。見積もりでは90万円近く。私はそれを信じて、なんと400時間もかけて準備した。
でも──納品直前に、相手との連絡が途絶えた。 最終的に「取引終了リクエスト」を送り、それには応じてもらった。だから報酬は一切支払われなかった。
「お金がもらえない」と気づいた瞬間、絶望というよりも、静かにすべてが崩れる音がした。400時間、何をしていたんだろうって、膝から力が抜けた。
でもその時に身につけたスキルは、今の本業の中で確実に役に立っている。お金にはならなかったけれど、時間が無駄だったとは、今はもう思っていない。
収入はあったけど、安定とは言えなかった
副業で得た収入は確かに存在している。月1万円、2万円の運用報酬。時折舞い込むショット案件で数万円。それらがあったから、精神的に救われた部分は大きい。
でも、まとまった収入が入る月もあれば、思ったほど増えない月もある。不安定なまま、心だけが焦っていった。
副業って、続けていれば何かしらにつながる希望はある。でも「短期間で生活が変わる魔法の手段」ではないとも感じた。
それでも、やめられなかった
副業はお金になりにくい。 でも、やめようとは思えなかった。
誰かに必要とされて、「お願い」と言われること。自分の力でお金を得られること。納品して「ありがとう」と言われること。それが、何よりもうれしかった。
FXみたいに一気に増えたりはしない。でも、副業で得た数万円は、どれも“自分で動いて、自分で手に入れたお金”だった。
お金の不安がなくなったわけじゃないけど、「自分で立てる場所がある」と思える。それだけで、少し救われる気がしている。
おわりに
もっと幸せになるために始めた副業。 お金が急に増えたわけじゃない。でも、私にとってこの時間は「ただのお金稼ぎ」以上の意味があった。
少しずつでも、自分を信じて動けたこと。 それが、次の一歩を踏み出す力になっている。
まだまだ不安もあるし、迷いもある。でも、副業は“生き直しの一部”として、これからも私の中で続いていくと思う。